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interview
神経細胞とアストロサイトが互いを成長させる仕組みは?
林 真理子
管理栄養学科
准教授

掲載日:2025.4.1
2026年度大学案内より
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【アストロサイトの成熟につながる神経細胞とのクロストーク】
脳は体重の2.5%ぐらいの重さですが、全身の20%のエネルギーを使います。特に重要なのは神経細胞ですが、栄養を運ぶ血管には接していません。血流にのって運ばれてくる栄養素を神経細胞まで届けるのはアストロサイトです。アストロサイトは神経細胞があるときだけ複雑に枝分かれし、神経細胞にアプローチするようになります。神経細胞がアストロサイトをよいパートナーになるように育てているのです。そして成熟したアストロサイト同士は縄張りがはっきりしていて、仲間の領分に踏み込むことはしません。その方が担当がはっきりし、漏れや無駄なく神経細胞をサポートできます。でも、神経細胞とアストロサイトの間、またはアストロサイト同士の間でどんなシグナルがやり取りされ、アストロサイトが枝を伸ばし、そしてほかのアストロサイトの近くになると枝を伸ばすのをやめるのかはわかっていません。細胞膜のタンパク質同士が相互作用していると考えて、アストロサイトによく発現しているものをリストアップし、一つずつその働きを調べています。